年末に読んだ『SPA!』。文壇アウトローズのコーナーで坪内さんが面白い逸話を語っていた。装甲車みたいな右翼の車がスター・ウォーズのテーマをかけて走ってたのが面白い、という話だ。要約すると、「右翼の街宣車にとってスターウォーズは意味ではなく形であるため、ポストモダンで脱構築 (ディスコントラクション)なのではないか」、ということだ。
右翼の装甲車でスター・ウォーズ。確かに面白いのだが、意味がそこになく、形なのかと言われたら、それは大きく違うと思う。そもそも映画という表現自体が右翼的であるし、特にスター・ウォーズは象徴的に右翼している話である。権力欲で議会を牛耳る、社会全体主義の権化であるパルパティーン議員。こいつに対抗するジェダイ(元老院に属する騎士)という存在に対して、右翼が自身の姿を投影しているであろうことは、明らかだ。
通商連合だの賞金稼ぎだのといった脇役も出てくるが、独裁者による契機付けによって大きく動き出して制御できなくなる議会組織という近代装置と、自立した個の集団であるジェダイ、この2つの戦いというシナリオは、まさに右翼が好む典型的な自己讃美であろう。ポストモダンというよりはプレモダンな存在として、強い意味をもってスター・ウォーズをかけていると思う。
さて、ちょうど2008年になったので、右翼宣言でもしておこうと思う。
近代以降、経済至上主義(GDP至上主義)に基づくファシズムが地球を覆った。憎きロベスピエールやスターリンのような直接の恐怖政治ではないにせよ、会社組織というイスタブリッシュメントに歯向かう人間が粛正された暗黒の時代である。
心優しき株主の声など届かぬ、権力への渇望に突き動かされた企業組織体(労働組合)。既にブルジョア(資本)の時代は終焉し、出世(権力)の時代へ。それを支えるネオリベ。モダン(近代)が生み出した、まさに悪魔の姿。誰も北朝鮮を責めることなど出来まい。
そんな時代、我々右翼は、我々右翼が敬愛してやまないマルクスに習い、(マルクスとは逆回転となる)半時計周りの2段階革命を興すのだ!!
プレモダン(前近代==アルチザン&アーチストの時代)の理想卿へと誘うためには、まずは痛みを伴う改革、つまり株主(ブルジョア)の復権が必要である!!
ちなみに右翼から見ると、プレモダンとポストモダンは同じである。つまり、真の右翼はユダヤ教エッセネ派と共産主義を共に支持するのだ。
崇高なファンダメンタル(原理)と、人工的(サヨ臭)なものの二項対立がある。ここで、軸足はあくまでも右翼(原理主義)に置く。そして左翼(隣人==他人)を愛す。これが真の右翼。キリストが言う隣人愛とは、まさにコレなのだ。